“映画づくり、人づくり、まちづくり”
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“三河映画” THE FILMS COMMUNE

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2017/09/15
6年越しのタッグ

出会いは
“幸福な結末”のオーディション
出演は実現しなかったが
それ以降も彼女は
日本舞踊・太鼓・アクション・長期合宿による演技レッスン…
次々と演技に関わる修行を
積み重ねていった
彼女は山本佳代子

そして“幸福な結末”から6年
“Ben-Joe”のオーディションに参加
私たちは彼女に大役を託すことになる

出演作「来つ寝世鏡奇譚」では
撮影中彼女は盲腸になったのだが
手術の翌週には
撮影に参加していた
そんな話を監督からも聞いていた

“Ben-Joe”の役作りのため
劇中に出てくる施設の参考になる
施設に出向き取材をするなど
意欲的に役に取り組んだ

夜のシーンの撮影では
あまりにリテイクを重ねたため
そのまま朝を迎え
撮影が翌日まで持ち越されることもあった

そんな時も持ち前の根性で乗り切り
撮影中体調が悪い時でも
それを口にすることはなく
黙々と演技を続けた
常に真摯な姿勢で役に向き合った

彼女は今秋から
活躍の場を海外に移すと聞いている

今後の彼女の活躍に大いに期待しつつ
私たちからも“Ben-Joe”の
いいニュースが海の向こうまで
届けられるようにがんばりたい

監督
岩松あきら

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2017/09/08
ほかの役者が演じるのは悔しい

“今日は琵琶ちゃんいないの?”

撮影現場に彼女がいないと
いつもヒロイン役の石川が
と淋しがっていたのを思い出す

Ben-Joeでは
嫌味な役なのに可愛らしい
そんな憎めないザ・おばさんを演じたのが
獅子見琵琶

学生時代から数十年
彼女の演技には歴史がある
百戦錬磨の経験が滲む演技で
役に血が通い肉がつき
生身の人間として立ち上がる

彼女は明るく元気な人柄で
彼女がいれば現場の
雰囲気が悪くなりようがない
最高のムードメイカーである

おおらかに見えて
実は細やかな気遣いのできる彼女は

どこかへ出かければ
いつもキャストやスタッフひとりひとりに
お土産を配り

三重県伊勢市の自宅から
往復約400キロの
津具(撮影現場)に自力で通ったりもした

撮影途中からは
全身の蕁麻疹に苦しみながら
撮影を断行

私は一度彼女に聞いたことがある
どうしてここまで苦労すると知りながら
出演を決めたのかと
その答えはシンプルであった

“この役をほかの役者が演じるのが悔しいから”

こんな思いをもつ役者との
共同作業は幸福以外の何ものでもない

彼女が演じた役“トモエ”も
このことを知ったら
きっと光栄に思うことだろう

監督
岩松あきら

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2017/09/01
“火田詮子”という唯一無二

“様々なプレッシャーが大波のごとく押し寄せ
60歳過ぎて立ちはだかる壁との闘いだった”

これは“Ben-Joe”で
ヒロインと渡り合う
先生役を演じた火田詮子の言葉だ

彼女は地元が誇る重鎮俳優
“Ben-Joe”の現場では
様々な苦労が彼女を襲った

膨大なセリフ・特殊メイク・体を張った演技・てっぺん(※)を超えても続く撮影の日々等

しかし現場ではそんな辛労辛苦など
微塵も感じさせず
早朝から元気に合宿所に現れ
現場の士気を上げ
撮影中はどんなに待ち時間が長くなろうが
どんなにリテイクが重なろうが
そして、どんなに撮影時間が遅くなろうが
一切不平のたぐいは口にせず
真摯に演技に打ち込む

それどころか
いつも共演者の人たちやスタッフに気を遣い
場を和やかな雰囲気にする
ベテランにもかかわらず
その謙虚な姿勢に感心することしきりだった

私が彼女を初めて目撃した
朗読会での語り
その気迫はそのまま
“Ben-Joe”へと注入された

すべての撮影を終え
彼女は撮影についてこう振り返った

“諦め感のない穏やかで熱い現場
遠いと感じていた津具の道のり(※)が
日に日に近くなっていった”と

彼女は本当に唯一無二
かけがえのない存在だと
今回の撮影を通して改めて感じさせられた

監督
岩松あきら

※てっぺん:深夜0時
※彼女は毎回約200キロを自家用車で早朝深夜を往復していた

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2017/08/25
映画「Ben-Joe」2部作となるか

「Ben-Joe」の仮編集も
ようやく終わりを迎えた

やたらと時間がかかってしまった原因は
撮影中からほぼほぼ分かっていた
単純に本編が長いのだ

実は前作の「幸福な結末」も
撮影素材を繋いだ段階で
3時間ほどあった

それを2時間には収めるために
1時間のカットとなると
カットごと細々短くするだけではなく
シーン丸ごと、シークエンス(※)丸ごと
カットしなければならない

そのため「幸福な結末」では
3人のキャラクターが
本編から姿を消すことになってしまった

今から思い返しても
そのことをその役者さんに伝えるときほど
辛いことはなかった…
本当に申し訳なかったと思う

今回の「Ben-Joe」の場合
現段階で撮影素材を繋ぐと3時間半
映画2本分の尺がある
脚本家にそのことを告げると
「…でしょうね」の一言

昔の上映ながらに
途中で休憩を挟むか
今流行りの前編・後編に分けて
2部作として上映するか
そんなことも一瞬思ったりもしたが
そういう訳にもいかず
断腸の思いで
2時間以内にカットしていくことになるだろう

この大幅カットの編集に立ち止まらず
次なる段階のアフレコへと
歩を進めていかなければならない

監督
岩松あきら

※シークエンス:
物語上繋がりのあるシーンによって構成される一連の流れ。シーンはシークエンスよりも小さな場面を指す

※写真は「幸福な結末」のアフレコ風景

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2017/08/18
“Ben-Joe”のお母さん

合宿生活中
制作担当の坂本由佳(現在/彬田れもん)は
“お母さん”と呼ばれていた

2016年夏
私たちは愛知県の津具地方で
3か月間合宿を敢行したが

その期間中
彼女は合宿所で朝から晩まで
部屋の掃除・洗濯・布団干し・料理・買い物…
何でもこなしてくれた

撮影が早く終わり
私たちが近場の温泉に出かけた時も
ひとり合宿所に残り
片付けを行なっていることもあった

現場スタッフが撮影に専念できたのも
快適な合宿生活が送れたのも
すべて彼女のおかげである

もちろん合宿撮影だけではなく
撮影全般において彼女は
ケイタリング・消えもの・ロケ地との交渉・時にはスタンドイン(※)・衣装や小道具管理のお手伝い…

様々な仕事を精力的にこなした
撮影中様々な災難に見舞われたが
幾度となく困難を乗り越え
最後までやり遂げた

彼女の“信念”に心から感謝したい
作品への愛に感謝したい

役者として
そして人として
今後のさらなる
ステップアップに期待している

監督
岩松あきら

※スタンドイン:
撮影前の準備作業中に、俳優の代わりをする人物。模擬演技をすることもある。

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2017/08/11
“何があっても僕は監督の味方です”

「Ben-Joe」に参加することが決まったとき
助監督・荒川が私に言った言葉である

彼は東京で助監督経験があり
数年前に地元に戻ってきた男
自らも監督もする

監督経験がある助監督ほど
心強いものはないが

スケジュール管理・撮影現場の取り回し・配車計画・役者との交渉・小道具集め(花農家でもあるため温室で小道具の花を育てたりも)…

何でもこなす万能スタッフである

映画のことをよく理解し
映画のことをこよなく愛している

“Ben-Joe”のことも
心から愛してくれたと思う

私の無茶な要望にも
文句も言わず何とか応えようと
最大限の努力を払ってくれた

人の気持ちを推し量ることに長け
問題が起きても
争わずしてベストな道に
着地させることができる術をもつ
私も何度もフォローをしてもらった

彼なしではこの映画は完成しなかったと
言い切れる人間のひとりである

そして彼には
私たちと同じ大きな夢がある
“Ben-Joe”の撮影はほぼ終わったが
これからもともに
夢を叶える仲間でいたいと思う

監督
岩松あきら

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2017/08/04
ブレずに続ける

つい先日
美術担当のファンファンさん(愛称)から
三河映画第三弾「すみれカフェ」の
舞台となる喫茶店の看板の画像が送られてくる

「Ben-Joe」の美術も担当した彼は
非常に器用で賢い男

映画の美術というのは
脚本を読み解き
キャラクターを理解し
小道具・大道具に反映していかなければならない

その点においても彼は
脚本執筆の勉強もしていたこともあり
信頼度は高い

彼は計画的に作業を進めていくことができ
クオリティの高さと安定感があり
実に信用できる仕事をしてくれる

その秘訣について彼に
一度尋ねたことがある
その答えは意外にも

“100%の力でやらないこと”

何だか手を抜いているように聞こえるが
そうではない
何事もブレずに最後までやり遂げることは
非常に困難なことだ

私たちの映画制作はどうしても時間がかかる
そうなるとどうしても精神的にも波が生まれる
常に全力では最後までたどり着けない

もちろん私のように
いつも余力のない人間もいるが
彼らしい哲学だなと感心

「Ben-Joe」での彼の仕事を
しっかり観てもらえたらと思うと同時に
「すみれカフェ」での彼の仕事にも
期待していただきたい

監督
岩松あきら

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2017/07/06
子役の演技指導

「Ben-Joe」の撮影で
苦労したことの中のひとつに
子役の出演するシーンの撮影がある

特に演技経験のない子役を
演出するのは非常に難しい

「浮き雲」などの作品で有名な
成瀬巳喜男監督は
撮影現場で子役たちが
ガッチガチに固くなってしまうため
同時に複数のことをやらせながら
演技をさせることで
集中力を分散させていたらしい

是枝裕和監督は
「誰も知らない」で
非常に自然な演技指導を
子供たちに施していた

一見するとリハーサルなしで
隠し撮りでもしているかのようにみえるのだが
メイキング映像を見ると
しっかりリハーサルを行なっている
ただし脚本を渡さず
口伝えでセリフを教えるなどの
独特の工夫をしながらであるが

そうした名監督の演出を参考にしながら
私も芸能プロダクションで
子役の演技指導のレッスンをしているが
一朝一夕にはうまくいかない

私は元小学校教師なので
その25年間の経験もうまく生かして
子役の演技指導を究めていけないか
そう思いながらも
今なお模索中である

監督
岩松あきら

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2017/06/29
気づいていなかった事実

現在
「Ben-Joe」の本編編集と並行して
予告編の編集も行なっている

合間には
メイキング映像も確認したりと
ほぼモニターの前に座ったまま
動かない日々が続いている

目の疲労も半端なく
編集を開始してから
目薬はかれこれ3代目

編集作業をしていると
役者の小刻みな震えだったり
アクションによる切り傷だったりと
撮影現場で見落としていたことに
気づくこともしばしば

一番驚いたのは
メイキング映像を確認していた時のこと

クライマックスのシーンの撮影で
ヒロインが過呼吸に陥り
撮影が中断したことがある

その間も
メイキングカメラは回っていたのだが
その映像を今回確認していたら
ヒロインの過呼吸の痛々しさもさることながら
よく見ていると過呼吸の合間に
嘔吐を繰り返しているではないか…

撮影現場ではそのことに全く気づかず
ヒロイン本人はそのことを誰にも告げず
私は平気で撮影を進めていた…

彼女に申し訳ないことをしたと思いつつ
モニターを前にして
改めて彼女の根性に
敬服することしきりなのである

監督
岩松あきら

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2017/06/20
クランクアップしてもなお撮影中

映画「Ben-Joe」では
“赤い花”が大切な
イメージ・アイテムとなっている

脚本を読むと例えば
「郊外の駅
 赤い花が咲いている畑の向こうにホームがあり
 電車が入ってくる」
と書かれている場面がある

撮影のためスタッフは
赤い花畑が近くになる駅を
しらみつぶしに探すことになる

だがそんな都合のいい場所は
なかなか見つからない

そんな中
隣にコスモス畑が広がる
駅が見つかる
しかし「よしこれでOK!」
というわけにはいかない
なぜなら物語の設定の季節が春だからだ

結局1年以上かけても
条件に合った駅は見つからない
そこで赤い花を大量に手に入れ
駅の隣の空き地に
植えこむ作戦を考える

そうなると
三河映画の場合
花農家と話し合いが始まる

前作「幸福な結末」でも
ひまわりをロケ地に植えての撮影を試みたが
イメージ通りにいかず
あえなくボツになるという経験もあったので
リベインジとなる

花農家との話し合いも進み
撮影時期が近づいて来た
「さあいよいよ撮影か」と思いきや
現場に足を運ぶと
空き地がいつの間にか
麦畑に変わっている…

あえなくその作戦を断念
次に考えられたのが
駅と花畑を合成するという作戦だ

そこで
あたり一面の赤い花畑を
全国各地から探すことに…

ついに最適な花畑が見つかるが
見所のピークを調べたら
なんと“今週”とある

翌日
撮影機材を抱えて現地に出発!

これがつい先日の話である
クランクアップをしても
実景撮りはまだまだ終わらない…

監督
岩松あきら

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