“映画づくり、人づくり、まちづくり”
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“三河映画” THE FILMS COMMUNE

[ ブログ ]

2017/04/22
役者から見える景色(メイク・特殊メイク編)

三河映画第一弾の制作から
ずっと関わっている
メイクの岩井菜摘
通称“なっちゃん”
三河映画のベテランスタッフです

“Ben-Joe”は
季節をまたいだ長期撮影
順撮りではなく
ロケ地や季節により
撮影順が行ったり来たり

ストーリー展開や
キャラクターの心情に合わせて
メイクも細かく変化します

それを間違いなくメイクするため
メイク担当は
“メイクシート”たるものを
常に持ち歩いています

メイクについての詳細が書かれた
それが“メイクシート”

台本から読み取られた
キャラクターを元に
監督と役者と衣装担当
それぞれとのイメージ合わせよって決められた
メイクや髪型
時には特殊メイクも含めて
記録されています

例えるなら料理人における
秘伝のレシピのようなものでしょうか

それは役者ひとりひとりに対して用意され
何十枚にも及び
キャラクター表現の手助けをしてくれる
大切なものです

なっちゃんは
単なるメイク担当ではなく
私の信頼すべき
パートナーでもありました

長時間の撮影
夜通しの撮影などが続くと
どれだけ気をつけていても
体調の変化に悩まされましたが

彼女はいつもそばにいて
ちょっとした変化も見逃さず
その時々に
対処サポートしてくれました

時には声が出なくなり目が腫れ
顔がむくみ
激しく痩せていく…

なっちゃんがいなかったら
この過酷な撮影を
やり遂げることは出来なかった
そう言い切れます

彼女は
作品に対してはもちろんですが
人に対する気遣いが半端ないのです

この人間力はおそらく
三河映画で培ったものでしょう
彼女は三河映画に育てられ
その彼女に私は助けられたのです

そんな彼女は
撮影が終わった今も
私の大切なパートナーです

早紀

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2017/04/17
役者から見える景色(制作チーフ編)

私が三河映画を知ったのは
約2年半前のこと
三河映画ホームページにあった
“Ben-Joe”の予告映像でのこと

そこに映っていた役者
坂本由佳

画面を通して
私が最初に出会った
三河映画のメンバー

本人を直接見たのは
制作発表当日
制作チーフとして駆け回る彼女だった

“Ben-Joe”では
役者でありながらスタッフとして現場に関わる
そんなメンバーが三河映画には何人もいる
彼女もその1人であった

三河映画との出会いには
ひとりひとりのドラマがある

なぜ役者ではなくスタッフとして
今回の“Ben-Joe”に関わる決意したのか?

私は彼女たちの口から
直接聞いたことはありません

でもわかります

私が見てきた
三河映画のメンバーたち
誰もが最後まで
やり遂げようとする“覚悟”がある
その“覚悟”こそが
彼女たちの決意の理由そのものではないかと

どんな関わり方であっても
“覚悟”を貫ける人間になること

これこそが
三河映画のメンバーの
決意なのではないかと思います

だから彼女たちは
自らの気持ちを
自分自身のしっかりとした行動で
示していたのだと思います

その“覚悟”を世界へ
夢を見続ける全ての人に伝えて欲しい

いい映画とは
全員が同じ方向を見ている
そんな姿の向こう側にあるのです

そして私が早紀として
画面の中で生きるベース
それは
彼女が演じた早紀なのです

早紀

※写真は、撮影のケイタリング準備中の制作チーフ:坂本由佳

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2017/04/14
役者から見える景色(カメラマン後編)

“Ben-Joe”では
納得のいくカットが撮れるまで
テイクを重ね
ベストを決める!
そんな撮影をしていました

そんな中
私にはどうしても撮り直しをせず
“一発OK”にこだわりたい
そんなシーンがありました

リハーサルでは全力では演じず
「本番どうなるかわからない」と言い
本番でも「きっと一回しかできない」と言い

カメラマンの頭を
抱えさせたことと思います
すみません…

脚本と同じ状況で
早紀が初めて経験することを
私も初めて経験したくて
一回目にこだわりたかったんです

無心になり
感情と精神も追い込み
一回しかできない体力の限界に
挑戦してみたかった

気持ち
体力
環境…

全てが整うまで
カメラの前で
スタッフとキャストの全員がスタンバイ

監督と私のアイコンタクトで
撮影がスタート…
そして無事撮影は終了

「一回しかできない」

それはカメラマンには
「一回しか撮れない」ということ

そんな状況下でも信じることができる
絶対に最高のカメラワークで撮ってくれる
カメラマンとそんな信頼関係がなければ
この撮影には挑めなかったと思います

私がなぜカメラマンの沓澤を信じていたのか

それは
深夜 早朝問わず
みんなが休む中
寝る間を惜しんで
カメラテストを繰り返したり
リハーサル映像を繰り返し見たり…
そんな努力を重ねて
彼はいつも撮影本番に備えていたから

合宿での撮影中
私が目覚めると
スタッフルームの椅子で
パソコンの映像を目の前にして
倒れ込むように眠っている

布団で眠っている姿よりも
パソコンの前で眠っている…
そんな彼の姿を見かける朝の方が多かった

だから
私は彼を信じて
撮影に臨むことができたのです

“Ben-Joe”は
彼のこんな積み重ねの努力の積み重ねで
全てのシーンが出来上がっています

彼だけでなく
“Ben-Joe”のスタッフは
集中して演じられる環境を
とことんつくってくれました

“いい映画をつくる”ためと
高め合いがんばる背中を
いつも私に見せてくれました

そのおかげで私は
全力で撮影に
臨むことができたのです

彼らには言葉では表せない
“想い”“感謝”があります

「ありがとう」

早紀

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2017/04/10
役者から見える景色 (カメラマン前編)

先日のブログで
ピックアップされた
私の“Ben-Joe”舞台裏

その周りには
“いい映画をつくる”一心で
役者を支え
作品づくりに立ち向かう
スタッフそれぞれのドラマがありました

オーディションにリハーサル
そして本編撮影と
私が演じる「早紀」とすべてを共にし
カメラを回し続けたカメラマン沓澤武志

そんな彼にも
たくさんのドラマがありました

映画制作には
マニュアル何てものはつくれない

リハーサルや準備を万全にしても
テスト撮影を念入りにしても
撮影本番では
思い通りにはいかないこともある

それは
準備を上回るものを
めざして闘うからです
いい意味での
“欲”なのかも知れない

しかも
撮影現場には魔物が住んでいて
思いもよらないことが起きたりもします

そんな多くの問題の
ひとつひとつに対応していくこと
本当に大変だったことと思います

これらの問題以外にも
実は私の“こだわり”が
カメラマン沓澤を
苦しめたことがあります

そのことについては
次回のブログで紹介します…

早紀

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2017/04/06
もう春

4月と言えば
1年間の中でも多くの人の節目
“出会い”と“別れ”の季節ですね

昨年2016年3月6日の
クランクインから早1年
無事にクランクアップを
迎えることができた三河映画

私の三河映画への想いは今
“別れ”から“繋がり”へと
変化しています…

何故“繋がり”と変化していくのか?

それは三河映画の場合
“はじまり”も“おわり”も関係なく

「いい映画をつくること」

この想いがずっと変わらず
続けいているからだと思っています

映画が完成する未来も
決して“おわり”や“ゴール”ではない

今「いい映画をつくる」は
「いい映画を届ける」と変化し

今後もこの想いは続くのだろう
そう想像させる程
三河映画の想いは強い

そして私も
役者としてみなさんに
「いい映画を届けられる」その日まで
責任をもって
この熱いメンバーと共にしたい

まだまだ“別れ”ではなく
“繋がり”続けていたい
そう思っています

早紀

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2017/03/24
未投稿ブログ発見!

パソコン内を整理していたら
未投稿のブログを発見
日付は2015年9月30日

今から1年半前
まだリハーサル前の時期

いくつもの大きな問題を抱えながら
前に突き進んでいた頃である

それらの問題を全て解決した
今となっては懐かしい思い出だが
今回はそのブログを掲載しておきたい

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「ゴジラ退治」

三河映画の映画制作というものは
巨大なゴジラを倒すようなものだ

そのパワフルなゴジラ相手に
我々メンバーは日々死闘を繰り広げていた

ところがあるとき気づいた
その巨大なゴジラと思っていたものは
実はゴジラそのものではなく
ゴジラのしっぽの先だったと

トカゲのしっぽのように
勢いよく動き回る
ゴジラのしっぽの先と
闘っていたに過ぎなかったのだ

我々は目の前の敵に
必死になり過ぎていて
顔を上げる余裕がなかった

ふと頭を上げてみたら
その巨大な足が見えてきて
次第に胴体が見えてきた

その本当の大きさが見え始め
恐れおののいた

そして
その姿が見え始めると同時に気づいた
ゴジラというのは
我々が憧れていた“夢”だったのだと

我々が夢をしぼませれば
ゴジラは見る見るうちに
弱小化させることもできるだろう

巨大なゴジラが猛威を振るっているのは
我々の夢が大きな証拠である

そのゴジラを大きく育て
その闘いを大いに楽しむ
それが我々の映画制作なのだ

岩松あきら

※画像は「HD Wallpapers」より

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2017/03/17
虚構ながらドキュメント

“Ben-Joe”は
壮絶な日々を過ごした
女の子の実話を元にしている

よって
それを演じる女優も
ヒロイン同様
壮絶な人生を
生きなければならない

当然のごとく
体当たり演技を余儀なくされ
1日中走り続けたり
3日間 川に入り続けるくらいは当然のこと

棒で叩かれるシーンの撮影では
誤って棒が彼女の身体に入ってしまい
「カット!」のかけ声と共に
その場に崩れ落ちる事故にも見舞われた

彼女の脚は
黄色や紫色に腫れ上がり
夜中の撮影だったため
翌朝 すぐ山を下りて
病院へと運ばれた

半日後 彼女は
笑顔で撮影現場へ帰ってきた
そんな彼女を見て
その精神力の半端なさに感心させられた

唇を縫うシーンでは
特殊メイクチームが彼女の顔を型取りし
作り上げたマスクを使用して撮影する予定であった

しかし彼女は
自らの唇を縫ってやりたいと言い出した
さすがにその選択肢を選ばなかったものの
彼女の本気度には頭が下がった

また熱演が極まり
文字通り撮影中に発熱することもしばしば
撮影の待ち時間に
セットの隣の機材置き場に敷かれた布団に
倒れこんでいる姿は今でも目に焼き付いている

クライマックスの撮影では
あまりに過酷な撮影のため自分を追い詰め
過呼吸に陥ってしまい
撮影が中断されることもあった

“Ben-Joe”は虚構であるが
体力そして精神力の限界に挑戦した
彼女の記録でもある

スタッフを信頼をして
最後までやり遂げた彼女に
多大な感謝と敬意を示したい

監督
岩松あきら

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2017/03/10
私がやる

前回のブログに引き続き
ヒロインを演じた仲間について…

役に決まった時 彼女は
“Ben-Joe”に全てを捧げると
私に告げた

口で言うことは易しいが
本当にやり遂げるには
相当の“覚悟”が必要だ

でも彼女は“本気”だった

撮影期間中
彼女はエキストラの衣装を縫ったり
毎晩小道具の折り紙を折り続けたり

消え物※をつくったり…
献身的に撮影のために尽くした

撮影後 24時間営業のスーパーに出かけ
翌日ケータリング※の材料を購入
寝る前にケータリングを仕込むことも少なくなかった

三河映画の場合
撮影中のケータリングは基本
スタッフ・キャストの手作り
そんな形が確立したのも
彼女の影響である

実はクランクインの日の昼食は
コンビニで購入した
おにぎりやサンドウィッチだった
彼女は私に聞いてきた

このお金は誰が出してるの?
スタッフもキャストも手弁当でやってて
ロケ地とかも全面協力してもらってるんだから
ケータリングも自分たちでつくって節約しましょうよ
つくれる人がいないなら
私がつくる!

そう言って
本当に彼女は実践した

何も私は役者が演技以外のことをやるから
すごいと言いたいのではない

“Ben-Joe”に全てを捧げる

“覚悟”を決め
自分の言ったことを実践した

ただそのことに敬意を払いたい

“本気”を共有できることほど
仲間同士で幸せなことはない

監督
岩松あきら

※消えもの:
 使うと消耗して一回しか使えない小道具。ここでは飲食物のこと。

※ケータリング:
 キッチンでつくった料理を出張先(映画では撮影現場)に提供すること。

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2017/03/05
ヒロイン現る

この映画の成功は
ヒロインの俳優にかかってるから
絶対に妥協しないで

脚本を読んだ関係者たちは
口々に私に言った

そして私たちはヒロイン探しに
丸々3年間の月日を費やした

一次審査、二次審査、三次審査…
オーディションを進めていくと
不思議なことが起きた

ヒロイン候補の志願者たちが
次々と自ら辞退をしていったのだ

理由を尋ねると
自分にはやりきる自信がないという

役柄の重さに
押しつぶされてしまったのか
私たちの熱意に
怖れをなしてしまったのか

それでも私はひたすら
未来のヒロインを探し続けた

気づけば
制作発表まで一か月を切っていた

そんな中
東京から三河へと
一泊二日のオーディション合宿に参加した
一人の志願者がいた

オーディションと言いつつも
劇中のシーンのリハーサルを重ね
未来について語り合い

その結果私たちは
ついに「Ben-Joe」のヒロインが
目の前に居ると確信する

リハーサル・撮影と進むにつれ
その確信はさらに強いものになり
ヒロインを演じるのは
彼女以外考えられない
そんなかけがえのない存在となる

彼女の粉骨砕身の
闘いについては
また後日語ることにしたい

監督
岩松あきら

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2017/02/25
私の“折り紙付き”

三河映画最大の目的
それは間違いなく“いい映画”をつくること

でもそれだけではない

映画制作を通して
私たちの求めているものを得ることである

私たちの求めるもの…
それは“人間力のアップ”と“人との繋がり”

キャストもスタッフも
長い制作期間中
手弁当で映画制作に参加し
“いい映画をつくること”とともに
物理的・金銭的なメリットではない
この2つのものを求めている

おそらくこれは
すべての“まちおこし映画”に
通ずるものではないだろうか

“まちおこし映画”に関わる人たちが
こうした意識をもっていなければ
まちが活性化するのは難しいと思う

クランクアップをした今
三河映画のメンバーたちは
長い制作の月日が
決して無駄ではなかったと思えるほど
目には見えない成長と繋がりを
得られた実感があるのではないだろうか

これは最後まで
ブレずにやり遂げた者にしか分からない
貴重な財産である

彼らは今後も
自分たちの立っているその場所で
周りの人たちに熱と刺激を与えられる存在に
なっていくことだろう
どこへ行っても重宝されること間違いなし
私の“折り紙付き”の人たちなのだ

監督
岩松あきら

(写真は、小道具の折り紙を折るヒロイン役の石川野乃花)

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