“映画づくり、人づくり、まちづくり”
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“三河映画” THE FILMS COMMUNE

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2017/10/14
アフレコ@東京

「Ben-Joe」に出演している
山本佳代さんが
近々活動の拠点を
アメリカに移すため
その前にアフレコをしようということで
東京某所にて2日間の缶詰状態で
アフレコ(※)作業を敢行

編集された映像に
声を合わせるため
前作「幸福な結末」では
役者にヘッドホンを
つけてもらい
撮影時の声を聞きながら
アフレコを行っていたが
今回はその方法を廃止

事前に編集された映像を
確認してもらい
撮影現場のテンションや空気を
感じてもらった後
映像を見ずに演じてもらうことを選択

こうすることで
役者がより撮影現場に近い形で
芝居ができるのではないかと
考えたからだ

録音された音声は
スタッフによって
すぐさま映像に当てはめていく
もしうまく合わなければ
随時録り直していく
この作業を2日間
繰り返すというわけである

撮影から随分時間が経っているため
役者にとっては撮影現場と
同じテンションで演じるのは
難しかったかと思われるが
無事終了

来月の三河でのアフレコも
この調子でうまくいくことを願う

監督 岩松あきら

※アフレコ:
アフター・レコーディングの略。撮影後映像に合わせて役者の声を録音すること。

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2017/10/06
監督! チャレンジできるネタを下さい

三河映画の
特殊メイク・特殊効果の担当
岩井菜摘のバックには
心身ともに大きな存在がいる
山本キョージ“先生”だ

彼は現役美容師でありながら
専門学校や大学で教鞭を執ったり
数々のワークショップを開催
日本のみならず海外でも活躍している

自宅のガレージを工房へと改造
三河映画の特殊メイクや特殊効果は
すべてその工房から生み出されてきた

思えば私は
特殊メイクや特殊効果に対しても
無理難題を言い続けてきた
それに対して
何度も試行錯誤の末
ボツにしたものも多々ある

しかし今まで彼に
不平不満を言われた記憶などひとつもない
それどころか
“勉強になったから”
“次に活かせるから”
と逆に感謝の言葉を返される

しまいには
“もっとチャレンジできるネタを下さい”
と言われる始末
何たるチャレンジャー
そして誰にもまして熱い男

チャレンジ好きの私には
彼は最高の“先生”なのである

監督 岩松あきら

※写真はヒロインの身体を型どりをしている様子

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2017/09/29
枠を飛び越える

リハーサルと並行して
映画“Ben-Joe”のセット作りは
山の中に小学校跡地で
着々と進められていた

その中で
役者の高橋慎祐は
大工の腕前を存分に発揮していた

彼は映画“Ben-Joe”で
非常に重要な役を演じるのだが
リハーサルの合間を縫って
セット建設にも参加していた

彼は大工経験をもつ役者で
私が観劇した舞台では
美術を担当していた

作品づくりに対して
献身的な彼は
三河映画では
役者の枠を飛び越えた

彼は時間に正確で
何事も準備に余念がない
納得できるまで考え
その上で完璧な仕事をする

これはセット作りだけでなく
役作りにおいても同様の姿勢である
努力に裏打ちされた演技には
安定感がある
非常に信頼のおける役者である

たとえわずかなカットだけの撮影でも
作品に貢献できるのならと
遠方から往復も厭わない

普段から温厚な性格で
リハーサルで人の演技に涙ぐむ
そんな心優しき彼が
今回演じたのは真逆なキャラクター
さすがは熟練役者
変幻自在だ

監督 岩松あきら

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2017/09/22
“Listen”

紀里谷和明監督が
ハリウッドで「ラスト・ナイト」を撮ったとき
出演していたモーガン・フリーマンに

“自分はこれからもっと
いい映画をつくりたい
どうしたらいいのか“

そう尋ねたら
一言こう言われたそうだ

“Listen”

よく“聴く”こと
この答えに紀里谷監督は
いい演技をするためにも
このことは大事なことなんだろうと
感じたという

全くもって同感なのだが
“Ben-Joe”の制作中
人の話をよく聴く人だと
感じた役者がいる

マイコ役を演じた大路絢果だ
彼女はまるで子どものように
人の話を素直に真剣に聴く人だ

想像力を働かせ
相手の立場に立って聴く
役者にとって非常に大切な力だと思う

彼女が演じたマイコという役は
リアリティを与えることが
とても難しい役であり
演じられる役者が
リハーサルギリギリまで見つからず
このまま見つからないのではないかという
焦りが正直あった

しかし彼女は現れた
9階のリハーサル室に
自転車を抱えて(※)

しかも私たち同様
ハングリーで意欲満々の
チャレンジャーであった

撮影現場でのムードメイカーとして
獅子見琵琶と双璧をなし
いつも現場を明るく盛り上げた

またそれまでの舞台の
大道具担当の経験を生かし
セット建設にも貢献
ここでも窮地は
チャンスに変わったのだった

監督 岩松あきら

※大路のメインの移動手段は自転車なのです。

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2017/09/15
6年越しのタッグ

出会いは
“幸福な結末”のオーディション
出演は実現しなかったが
それ以降も彼女は
日本舞踊・太鼓・アクション・長期合宿による演技レッスン…
次々と演技に関わる修行を
積み重ねていった
彼女は山本佳代子

そして“幸福な結末”から6年
“Ben-Joe”のオーディションに参加
私たちは彼女に大役を託すことになる

出演作「来つ寝世鏡奇譚」では
撮影中彼女は盲腸になったのだが
手術の翌週には
撮影に参加していた
そんな話を監督からも聞いていた

“Ben-Joe”の役作りのため
劇中に出てくる施設の参考になる
施設に出向き取材をするなど
意欲的に役に取り組んだ

夜のシーンの撮影では
あまりにリテイクを重ねたため
そのまま朝を迎え
撮影が翌日まで持ち越されることもあった

そんな時も持ち前の根性で乗り切り
撮影中体調が悪い時でも
それを口にすることはなく
黙々と演技を続けた
常に真摯な姿勢で役に向き合った

彼女は今秋から
活躍の場を海外に移すと聞いている

今後の彼女の活躍に大いに期待しつつ
私たちからも“Ben-Joe”の
いいニュースが海の向こうまで
届けられるようにがんばりたい

監督
岩松あきら

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2017/09/08
ほかの役者が演じるのは悔しい

“今日は琵琶ちゃんいないの?”

撮影現場に彼女がいないと
いつもヒロイン役の石川が
と淋しがっていたのを思い出す

Ben-Joeでは
嫌味な役なのに可愛らしい
そんな憎めないザ・おばさんを演じたのが
獅子見琵琶

学生時代から数十年
彼女の演技には歴史がある
百戦錬磨の経験が滲む演技で
役に血が通い肉がつき
生身の人間として立ち上がる

彼女は明るく元気な人柄で
彼女がいれば現場の
雰囲気が悪くなりようがない
最高のムードメイカーである

おおらかに見えて
実は細やかな気遣いのできる彼女は

どこかへ出かければ
いつもキャストやスタッフひとりひとりに
お土産を配り

三重県伊勢市の自宅から
往復約400キロの
津具(撮影現場)に自力で通ったりもした

撮影途中からは
全身の蕁麻疹に苦しみながら
撮影を断行

私は一度彼女に聞いたことがある
どうしてここまで苦労すると知りながら
出演を決めたのかと
その答えはシンプルであった

“この役をほかの役者が演じるのが悔しいから”

こんな思いをもつ役者との
共同作業は幸福以外の何ものでもない

彼女が演じた役“トモエ”も
このことを知ったら
きっと光栄に思うことだろう

監督
岩松あきら

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2017/09/01
“火田詮子”という唯一無二

“様々なプレッシャーが大波のごとく押し寄せ
60歳過ぎて立ちはだかる壁との闘いだった”

これは“Ben-Joe”で
ヒロインと渡り合う
先生役を演じた火田詮子の言葉だ

彼女は地元が誇る重鎮俳優
“Ben-Joe”の現場では
様々な苦労が彼女を襲った

膨大なセリフ・特殊メイク・体を張った演技・てっぺん(※)を超えても続く撮影の日々等

しかし現場ではそんな辛労辛苦など
微塵も感じさせず
早朝から元気に合宿所に現れ
現場の士気を上げ
撮影中はどんなに待ち時間が長くなろうが
どんなにリテイクが重なろうが
そして、どんなに撮影時間が遅くなろうが
一切不平のたぐいは口にせず
真摯に演技に打ち込む

それどころか
いつも共演者の人たちやスタッフに気を遣い
場を和やかな雰囲気にする
ベテランにもかかわらず
その謙虚な姿勢に感心することしきりだった

私が彼女を初めて目撃した
朗読会での語り
その気迫はそのまま
“Ben-Joe”へと注入された

すべての撮影を終え
彼女は撮影についてこう振り返った

“諦め感のない穏やかで熱い現場
遠いと感じていた津具の道のり(※)が
日に日に近くなっていった”と

彼女は本当に唯一無二
かけがえのない存在だと
今回の撮影を通して改めて感じさせられた

監督
岩松あきら

※てっぺん:深夜0時
※彼女は毎回約200キロを自家用車で早朝深夜を往復していた

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2017/08/25
映画「Ben-Joe」2部作となるか

「Ben-Joe」の仮編集も
ようやく終わりを迎えた

やたらと時間がかかってしまった原因は
撮影中からほぼほぼ分かっていた
単純に本編が長いのだ

実は前作の「幸福な結末」も
撮影素材を繋いだ段階で
3時間ほどあった

それを2時間には収めるために
1時間のカットとなると
カットごと細々短くするだけではなく
シーン丸ごと、シークエンス(※)丸ごと
カットしなければならない

そのため「幸福な結末」では
3人のキャラクターが
本編から姿を消すことになってしまった

今から思い返しても
そのことをその役者さんに伝えるときほど
辛いことはなかった…
本当に申し訳なかったと思う

今回の「Ben-Joe」の場合
現段階で撮影素材を繋ぐと3時間半
映画2本分の尺がある
脚本家にそのことを告げると
「…でしょうね」の一言

昔の上映ながらに
途中で休憩を挟むか
今流行りの前編・後編に分けて
2部作として上映するか
そんなことも一瞬思ったりもしたが
そういう訳にもいかず
断腸の思いで
2時間以内にカットしていくことになるだろう

この大幅カットの編集に立ち止まらず
次なる段階のアフレコへと
歩を進めていかなければならない

監督
岩松あきら

※シークエンス:
物語上繋がりのあるシーンによって構成される一連の流れ。シーンはシークエンスよりも小さな場面を指す

※写真は「幸福な結末」のアフレコ風景

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2017/08/18
“Ben-Joe”のお母さん

合宿生活中
制作担当の坂本由佳(現在/彬田れもん)は
“お母さん”と呼ばれていた

2016年夏
私たちは愛知県の津具地方で
3か月間合宿を敢行したが

その期間中
彼女は合宿所で朝から晩まで
部屋の掃除・洗濯・布団干し・料理・買い物…
何でもこなしてくれた

撮影が早く終わり
私たちが近場の温泉に出かけた時も
ひとり合宿所に残り
片付けを行なっていることもあった

現場スタッフが撮影に専念できたのも
快適な合宿生活が送れたのも
すべて彼女のおかげである

もちろん合宿撮影だけではなく
撮影全般において彼女は
ケイタリング・消えもの・ロケ地との交渉・時にはスタンドイン(※)・衣装や小道具管理のお手伝い…

様々な仕事を精力的にこなした
撮影中様々な災難に見舞われたが
幾度となく困難を乗り越え
最後までやり遂げた

彼女の“信念”に心から感謝したい
作品への愛に感謝したい

役者として
そして人として
今後のさらなる
ステップアップに期待している

監督
岩松あきら

※スタンドイン:
撮影前の準備作業中に、俳優の代わりをする人物。模擬演技をすることもある。

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2017/08/11
“何があっても僕は監督の味方です”

「Ben-Joe」に参加することが決まったとき
助監督・荒川が私に言った言葉である

彼は東京で助監督経験があり
数年前に地元に戻ってきた男
自らも監督もする

監督経験がある助監督ほど
心強いものはないが

スケジュール管理・撮影現場の取り回し・配車計画・役者との交渉・小道具集め(花農家でもあるため温室で小道具の花を育てたりも)…

何でもこなす万能スタッフである

映画のことをよく理解し
映画のことをこよなく愛している

“Ben-Joe”のことも
心から愛してくれたと思う

私の無茶な要望にも
文句も言わず何とか応えようと
最大限の努力を払ってくれた

人の気持ちを推し量ることに長け
問題が起きても
争わずしてベストな道に
着地させることができる術をもつ
私も何度もフォローをしてもらった

彼なしではこの映画は完成しなかったと
言い切れる人間のひとりである

そして彼には
私たちと同じ大きな夢がある
“Ben-Joe”の撮影はほぼ終わったが
これからもともに
夢を叶える仲間でいたいと思う

監督
岩松あきら

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