“映画づくり、人づくり、まちづくり”
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“三河映画” THE FILMS COMMUNE

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2016/07/20
OK出さなきゃいいじゃん

あれはもう
2年以上前のことだろうか

すでに商業映画監督として活躍をしていた
ある女性監督が
自主映画時代に制作したという
作品の上映会に足を運んだ

それはデジタル作品ではなく
1時間程度の8m/mフィルム映画であった

8m/mフィルムといえば
フィルム代と現像代を含めれば
1分間でおよそ1000円くらいした

私も初期の7年間ほどは
8m/mフィルムで作品制作をしていた
その後、Hi-8テープ(アナログ)を経て
ようやくminiDV(デジタル)へと移行していく

それはさておき
その女性監督の作品上映会の後
彼女と彼女の撮影組との飲み会に参加
彼女の隣の席になった時のことだ

その日に上映された作品が
撮影に4年間もかかったと聞いていたので
「4年間の歳月をかけて凄いですね」
そう語りかけた

その語りかけに対して
その女性監督は
嘲笑しながらこう言い放った

「そんなの別にたいしたことないじゃん
 納得いかなかきゃOK出さなきゃいいじゃん」

初対面の私に対する
そのふてぶてしい態度もさることながら
そのシンプルな回答は衝撃的であった

彼女のこの当たり前の姿勢に
共感する監督は
山ほどいるであろうが
この姿勢を貫ける監督は
どれだけいるのだろうか

“Ben-Joe“の制作が始まって
5年ほど過ぎる

今や私も
あの女性監督のように
「1本の映画にこんなに時間をかけて凄いですね」
と言われることが多々ある

その投げかけに対する返事はもちろんこうだ

「そんなの別にたいしたことないじゃん
 納得いかなかきゃOK出さなきゃいいじゃん」

もちろんもっと丁寧な言葉遣いで
謙虚に答えるようにしているが

監督
岩松あきら

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2016/07/11
監督倒れる

先日撮影中
呼吸ができなくなるほどの
激痛が腰に走り
その場に倒れこむ

ギックリ腰だ
数日前から予兆はあったが
騙し騙し動いていた

撮影スケジュールは
先まで埋まっているため
山を降りて病院へ行くことはできない

スタッフたちが
鎮痛剤や湿布を
買ってきてくれたり
すぐ近くのものまで
取って手渡してくれたり

その日は杖を片手に
痛みに耐えながら
撮影を終える

監督がこんな状態でも
支障もなく
撮影が進められた1日を振り返り
改めて三河映画のメンバーの
凄さに感謝

翌日
朝一番に打ち合わせのため
撮影現場にやってきたスタッフが
腰サポーターを持ってきてくれる

午前中には
撮影合宿所に荷物が届く
封を開けてみると
腰サポーターが入っている
前日撮影を終えて
東京に帰ったキャストが購入して
送ってくれたのだ

お昼になると
撮影現場に新たなサポーターが届く
スタッフが地元の方と話をした折に
私のギックリ腰の話題になり
心配して持ってきてれたという

その後
撮影を進めていると
背後から「もし良かったら…」と声がする
振り返るとメイキング撮影のスタッフが
腰サポーターを持って立っている
私が腰を痛めたことを聞き
持ってきてくれたのだ

4つのサポーターを手にして
こんな自分のためにと
感謝を超えて恐縮してしまい
言葉も出てこなかったが

それと同時に
今後どんなことが起きようとも
“Ben-Joe”の撮影は滞りなく進んでいくだろう
そんな三河映画の推進力を強く感じた

監督
岩松あきら

(写真は座り込んで指示だけを出す岩松監督)

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2016/07/07
本気でなければ

映画のセットをつくる
言葉にするのは簡単だが
とてつも無く壮大な計画だった

荷物を運ぶためのトラック
照明のイントレ足場作づくり
必要な木材の調達と壁の作り込み
ペンキの色合わせとペンキ塗り作業

全て何もない状態であり
ひとりでは何も出来ない状態からのスタート

お金がある前提での考え方では

トラックや足場はレンタル
木材や壁やペンキは工務店へ依頼

となるのだろう

しかし
我々にはそんなお金はどこにも無いし
無いから諦めるという選択も無い

どうすれば実現可能か?
ただひたすら考える

トラックは
協力として知り合いから
工場で使わない日に1日お借りすることでき

足場も
津具の建設会社さんにご協力を頂けた

木材も
多数の工務店さんや設楽の森林組合さんから
協賛していただき

壁の作りこみは
スタッフだけでなく
舞台大道具経験のある職人さんやキャストの方々も
何日もかけてつくり込んでくれた

ペンキについても
色合わせを津具の塗装屋さん
調合は名古屋の塗料屋さん

ここで書いたことは
セット作りでほんの一握りの例で
これ以上に沢山の方々にご協力を頂いている

本当に感謝の言葉に尽きる

三河映画のメンバーは
困難にぶつかると
出来ないという諦めの思いより
やり遂げたいという想い方が強く

いずれの困難も
いろんな人たちと繋がり
お金では無い方法で
その困難を解決することが出来ている

ただ協力を頂いて
いつも想うことは

“本気でなければ”
解決策は見えてこない

“本気でなければ”
誰も協力してくれない

協力してくれる方たちは
みんな本気で
貴重な時間を割いて協力してくれる

その本気を上回る本気で
良い作品づくりをしていくことが
我々にできる唯一の恩返しだと信じ
日々撮影に挑んでいる

撮影監督
沓澤武志

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2016/07/04
出会い

三河映画に参加していると
いろんな人と出会う

スタッフ・キャストとの
出会いはもちろんだが

協力のお願い等で
小学校などのロケ地や
ロケ地の地元の方のご自宅に
こちらから出向く場合もあるし
新聞を見て来ました!
という見学の方など
先方からみえる場合もある

この前なんかは
地元の小学生たちが
セットにふらっと遊びに来てくれた

次々に新しい人と出会っていると
人との交流が本当の目的で
映画をつくるのはついでなんじゃないかと
錯覚してしまう時がある

おいおい
と他のスタッフにつっこまれそうだが(笑)

でもそんな時は
映画やってて良かったなと思う

完成後
この映画はさらに多くの人に出会うだろう

スクリーンの向こうに見える
出会いを夢想しつつ
今日も新しい何かに出会う

助監督
荒川慎吾

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2016/07/01
緊張感

よーい スタート!
この合図で撮影が始まる

この時の緊張感は
日常生活ではなかなか味わえない

たった1つのカットを撮るために
ロケハンから始まり
美術のイメージを固め
小道具やセットを作りこむ

キャストは
脚本を読み解き
何日にも渡るリハーサルをし
その時の心情を
この一瞬に表現していく

ワンシーンを撮るために
何か月も時間と
たくさんの人達の力が
詰め込まれている

これまでの準備を
最後に形にするのは撮影の仕事

失敗は許されない

そのために
監督との絵コンテ打ち合わせ
現場でのカメラテスト
時には事前に編集までして
カット割りの確認をしていく

事前に
出来る限りの準備をして
本番に臨むが
やはり本番は
何が起こるか分からない
ライブな感覚

その中で
最高の画を撮るために
集中していく

長時間の撮影では
集中力が切れて
失敗することもあるが

よし
もう一回行こう!!
集中!!集中!!


監督をはじめ
キャストとスタッフ
みんなが声をかけて
納得のいく良い画が撮れるまで
付き合ってくれる

本当に素晴らしい
メンバーが集まったんだと
実感すると共に
このメンバーと一緒に
撮影が出来ることを誇りに思う

まだまだ撮影は続くが
これからも良い画を撮るために
日々精進

撮影監督
沓澤武志

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2016/06/29
“Ben-Joe”の撮影=社会見学

現在“Ben-Joe”は
愛知県設楽町津具村で撮影中

この日は
2台のバスが
撮影セットに到着

バスからは
地元の津具小学校の全校児童が
降りてくる

そう
津具小学校の児童が
三河映画の撮影を見学に
やってきてくれたのだ

子供たちに
“Ben-Joe”の1シーンを演じ
先生に演出・撮影をする
体験をしてもらった

撮影した映像をみんなで見ると
拍手が起こる

その後
キャストが同じシーンを演じ
撮影した映像を見せると
再び拍手

いずれも見ている時の
子供たちの真剣な眼差しが素晴らしい

役者との質問タイムでは

“どうして役者になったんですか”
“セリフはどうやって覚えるんですか”
“泣くときはどうやってないているんですか”

素朴な質問が次々飛び交う

キャストたちも
子供たちの真っ直ぐな視線に
誠実に受け答える

きっと明日から
また新鮮な気持ちで

撮影に取り組めることだろう

監督
岩松あきら

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2016/06/27
新しい世界

私は今回
三河映画さんの
津具村での合宿撮影に
2泊3日参加させていただいた

そこで全く
“新しい世界”を目の前にした

いつもはスクリーンで観る
映画の世界
それは実際想像もしたこともなかった
現実が私を待っていた

「カット」の声がかかるまでの
緊張感で息を止めてしまう
それだけの集中力が
現場から伝わってくる

1つのカットにかける思い
それは本当にすごく
ヒロインの石川野乃花さんの
全力で挑む演技に言葉を失った

作品をつくり上げることが
どれだけ難しく大変なことなのか…

この3日間で映画制作という世界を
目に焼きつけた

新たな経験を感じたい
もっともっと映画の世界を知りたい
素晴らしいこの作品をたくさんの方に知ってほしい
今回の経験を今後の人生に繋げていきたい

そんな思いが込み上げてくる
刺激的な3日間だった

安斉ゆか

(6月末の3日間。体験スタッフとして“Ben-Joe”の撮影に参加した安斉ゆかさんの日記より抜粋)

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2016/06/24
嘔吐に血しぶき…

映画「Ben-Joe」では
至るところに特殊効果が登場

特殊効果のあるシーンは
全部で30以上もある

今まで撮影した
特殊効果のシーン中で
一番時間がかかってしまったのが
お風呂場でのシーン

内容については
完成した作品で確認して頂くとして
数え切れないほどの
リテイクを出してしまった

最も大変だったのは
病院の手術室をお借りしての撮影

4人が息を合わせて
仕掛けを動かさなくてはいけなくて
苦労を重ねた

このほか
キャストさんに
血しぶきが飛ぶシーンでは
当日ギリギリまで
調整をしながら撮影に挑んだ

監督の「カット」の声がかかる瞬間まで
緊張していたのを覚えている

特殊効果のある撮影は
クライマックスまでまだまだ続く

今までの撮影の困難を忘れず
その反省を
新しい撮影に
生かしていきたい

メイク・特殊メイク担当
岩井菜摘

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2016/06/22
北野武方式

前作“幸福な結末”は
1か月間撮休ゼロという
殺人的なスケジュールで撮影を敢行

この怒涛のスケジュールによって
“幸福な結末”は完成させられた
キャスト・スタッフは文字通り
満身創痍での撮影であった

今回“Ben-Joe”の撮影は
この反省を生かして

基本的には
1週間撮影をして
1週間撮休を取るという
北野武方式を採用

北野武監督は
テレビの仕事もあるため
1週間映画の撮影をし
翌週にテレビ収録をするらしい

三河映画は
このやり方を取り入れて
隔週で撮影を行っている

撮休の監督の仕事と言えば
撮影済みの編集と
撮影プランの再考
撮影監督との
次ブロックのテスト撮影

編集は
監督の私が行うことがほとんどだが
時には脚本家が行うこともある

その編集結果をもとに
納得がいかないカットがあれば
次ブロック以降で
リテイク(撮り直し)を行っていく

私たちの映画制作は
時間はかかる

しかし間違いなく
映画の完成度は
上がっていくはずだ

監督
岩松あきら

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2016/06/20
蛍を一匹

掌に空に向けて
ゆっくり広げる

1日の撮影を終え
癒しの景色を
スタッフとキャストで見上げる

セットが建つ津具村では
蛍の光が綺麗な
季節になってきました

15歳から実家を離れて上京
ひとり暮らしの石川には

“明日のご飯何かなぁ?”とか
“お風呂入った?”とか

なんだか懐かしい会話が
飛び交う合宿所です

お芝居の相談も
お酒を片手に
熱心に語り合ってくれる先輩達

撮影あとのコミュニケーションも
とっても刺激的

一生懸命な大人の背中を
目に焼き付けながら

そしてまた朝がきて
撮影が始まる

“よーい!スタート!”

“Ben-Joe”ヒロイン早紀役
石川野乃花

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