“映画づくり、人づくり、まちづくり”
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“三河映画” THE FILMS COMMUNE

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2018/11/16
「幸福な結末」と向き合う

三河映画第2弾「Ben-Joe」
自分はこの作品から
助監督として三河映画に参加した

そんな自分に
監督から声がかかった

三河映画第1弾
「幸福な結末」の
再編集を手伝ってくれないかと

監督はこの作品に
さらに磨きをかけて
世に出したいと考えているようだ

しかし
この作品の撮影に参加してない
自分がなぜ?とも思うが

撮影に参加していると
撮影の苦労を考えて
なかなかカットできない
ということもよくある

撮影に参加していなければ
そういったものが無くなるので
客観的な視点で
作品を見ることができるのは
編集にとってはプラスだ

撮影から何年か経ったこの作品に
ハサミを入れることは
痛みを伴うことにもなるだろう

その痛みと闘い
少しでも良い作品になればと思いつつ
今再編集に取り掛かる

助監督 荒川慎吾

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2018/10/12
思い出が教えてくれたもの

私は20歳からの3年間
三河映画に関わって
本当にたくさんのことを学びました

その中の一つについて
書きたいと思います
それは「良いものをつくる」ということです

三河映画のメンバーは
このシンプルなことのために
寝る間を惜しんで脚本を推敲し
衣装小道具の洗い出しをし
ロケハンをし
カメラテストをし
特殊メイクのサンプルを作り
絵コンテを切り
必死になって映画をつくっていました

ただ当時の私は
あまりにも未熟で
心のどこかに甘えがあって
「このぐらいでいいだろう」と
自分の中に限界をつくって満足していたのです
その甘えのせいで
メンバーにたくさん迷惑をかけました

俳優を目指すようになった今
なぜかあの頃の三河映画のメンバーの姿を
よく思い出します

そしてようやく
彼らの必死さの意味がやっと分かってきたのです

自分が心に限界をつくっているうちは
“良いもの”なんて絶対に出来ない

自分に出せる限りを尽くして
それ以上に良いものを追い求めることが
“良いものをつくる”
ということなんだと分かったのです

ただ頑張ればいいという事ではなくて
目の前の出来ることをコツコツと積み重ね
さらに“もっと良いものにするために何が必要か?”
と考え続ける 向き合い続ける
そうした過程を経て
良いものは出来上がっていくんだと

思い出になってからも
三河映画のメンバーは
私に大切なことを教えてくれました

そして監督は今もなお
“Ben-Joe”の完成に向けて
ひたすらそれを続けている
パソコンに向き合いながら

私も三河映画で
映画づくりをした人間として
“良いものをつくること”ができる俳優になりたい
そう強く思っています

助監督 高橋ゆな

※写真は東京で演技レッスンを受けている高橋ゆな

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2018/09/26
顔も知らない人たちとの編集作業

最近は
「Ben-Joe」のカラコレ作業と
仕事のPVの編集を平行で行う日々だが

編集ソフトを操りながら
本当に映像編集は
身近なものになったなと思う

私が初めてパソコンを買ったのは四半世紀前
まだWindows 3.1の時代
映画の編集をするためだった

それ以前
私は8mmフィルムで映画製作をしていた
その作品を機に
ビデオで映画をつくることに切り替えた
MiniDVテープでなく
まだHi8テープ(分からない人ごめんなさい)

当時パソコン1台50万円
映像編集ソフトが50万円
とてつもない出費に悩んだが
その映像ソフトのデモを
見るため静岡まで飛んだりして
購入を決意

しかし
取説は電話帳のような厚さで全て英語
もちろんソフトも英語のみ
ソフトをインストールするのに
フロッピー30枚を使用(これまた分からない人ごめんなさい)
しかもすぐにソフトは固まってしまう

困り果てていると
パソコン通信で(これも分からない人ごめんなさい)
同じソフトを使用している人が2人見つかる
日々顔の知らない3人で
あーでもない
こーでもないとやりとりをしつつ
試行錯誤を繰り返して
映画の編集を進めていった

編集だけでも
こんな敷居が高く
映画を撮ってみたいけど撮れない
あの時期そんな人がたくさんいた

例えば自分の機材を開放して
もっと映画制作をしたい人たちの
サポートができないものだろうか

そんなことを思い始めていた時
共感してくれる仲間と出会うことになる
そのあたりのことは
またの機会に書いてみたいと思う

監督 岩松あきら

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2018/09/05
もう二度と会えない場所

先日
お世話になった津具の役場へ出向いた折
“Ben-Joe”のセットを建てた旧下津具小学校が
取り壊しになるという話を聞いた

8月中旬に着工開始
11月末には更地になるという

取り壊しの話は
以前から聞いてはいたが
いよいよ本格的に取り壊しになるんだと思うと
淋しさが込み上げてくる

私たちはこの小学校の中に
巨大な壁を何枚も作り
大きな柱を立て
ペンキを塗りまくり
照明器具を張り巡らせ
大量の大道具・小道具を運び込んで
巨大なセットを作り上げた

ずっと止まっていた
電気と水道を再び開通させ
息を吹き返させた

そして近所に合宿をし
3か月間
朝から晩まで(時には翌朝まで)
ここで過ごしてきた

地元の方も何度もここに足を運んで下さり
多大な協力体制のもと
数々のドラマを生み出しながら
撮影を進めてきた
そんな想い出がいっぱい詰まった場所だ

今はすでに工事告知の看板が立ち
周りはロープで囲われ
もう中には立ち入れなくなっている

たとえここが更地になった後でも
“幸福な結末”の合宿所と同じように
きっと私は何度もここに足を運ぶことになると思う

決して感傷ではない
前に進む力を与えてくれる
私にはパワースポットなのだ

監督 岩松あきら

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2018/08/26
愛知県を縦断・横断

映画“Ben-Joe”の制作は
以下のように多くの市町村や団体から
後援・協力をして頂いている

<後援>
設楽町
設楽町教育委員会
東三河広域観光協議会
刈谷市
刈谷市教育委員会
豊田市
豊田市教育委員会
豊田市観光協会
豊田市文化振興財団
犬山市観光協会/犬山ロケサービスチーム
シアターカフェ
トヨタグランド
刈谷日劇

<協力>
ほの国東三河ロケ応援団
とよたフィルムコミッション
なごや・ロケーション・ナビ
設楽町役場津具総合支所
農ライフ創生センター下山研修所

編集もひと段落したということで
制作の坂本が
これらの後援先や協力先に
制作の報告をするための書類をつくりあげた

先日
坂本と私は書類と感謝を抱え
後援先や協力先を回るため
3日間かけて愛知県を駆け巡ってきた

そして最後には
お決まりとなった
津具でお世話になったばあばの家へ

ばあばの家に着くと
温かい料理と温かい笑顔が
迎えてくれていた

映画のおかげで
ふるさとがひとつ増えた
何と素敵なことだろう

監督 岩松あきら

※写真は、お世話になった設楽町役場の入り口で、設楽町のゆるキャラ“とましーなちゃん”と記念撮影をする制作の坂本。

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2018/08/18
カラコレの日々

ブログも時間が空いてしまったので
今日は“Ben-Joe”の近況について

微調整はさておき
編集もひと段落し
カラコレについてカメラマンと
あれこれ打ち合わせ

カラコレというのは
カラーコレクションの略で
映像の色彩を補正する作業のこと

例えば同じシーンでも
何日にも渡って
撮影していることが多々ある
そうなるとカットごとに
明るさや色などがズレているので
それを合わせたりする

ノイズが入ってしまっている映像があれば
ノイズを消すこともある

画面の中で注目させたい箇所に
視線が集まるように
光や色合いを調整したりもする

そして映画の雰囲気に合わせて
画質や画調を整えたりもする
よくあるのが
夕方のシーンをオレンジに染めたり
回想シーンをセピアにしたりするパターン

こうした作業を
1カット1カット
丹念に積み重ねていく
これがカラコレなんです

当然時間がかかる
この作業をひたすらやり続けている
こうして“Ben-Joe”の世界観は
より明確になっていく

監督 岩松あきら

※写真は、カラコレのバイブル本。

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2018/05/18
夢の種

私たちは自主制作体制で
映画をつくっている

誰にも頼まれず
好きで映画をつくっている

商業映画とは違い
予算はないが制約もない

おかげでリスクを恐れず
チャレンジをすることができるのだ

大きなチャレンジは
大きなチャンス(夢)を生み出す
チャレンジは夢の種なのだ

夢が育てば
チャレンジをする情熱が
さらに湧いてくる
この情熱という栄養が
夢をさらに大きくしていく

チャレンジを繰り返せば
自ずと夢だけでなく
人も成長していく

映画づくりを通して共に闘い
自らと夢を成長させることで
キャスト・スタッフは
真の仲間となっていくのだ

そんな思いを抱きながら
改めて私は自らに投げかける

リスクを恐れるな
保証を求めるな

チャレンジという種を
蒔く覚悟を決めよ

その種から生まれた夢が育つことで
人が成長していくことを忘れるな

新たな種まきの日は始まっている

監督 岩松あきら

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2018/05/08
オリジナルブレンド珈琲

三河映画第三弾
「すみれカフェ」の原作者は
東京で活動してみえる
現役弁護士さん

先日名古屋に
立ち寄ることがあり
急遽
プロデューサーと私と彼の3人で
打ち合わせを行った

現在エピソード7まである
「すみれカフェ」だが
ノベライズ化の話が進んでおり
今回はその打ち合わせがメイン

普段私は
「Ben-Joe」の編集の合間に
ゲラ刷りの「すみれカフェ」の
原稿を読んでいるのだが
そんな中送られてきたのが
珈琲のドリップバッグ

そのパッケージには
なんと「すみれカフェ」の文字
映画「すみれカフェ」は
喫茶店が主要舞台だが
どうやらその喫茶店の珈琲が
オリジナルブレンドで
開発されているらしい

その試作品が
監督の私の元に
送られてきたというわけだ

「Ben-Joe」の編集で
疲れた頭を
「すみれカフェ」珈琲で
リラックスさせる

なんて贅沢な時間なのだろう

監督 岩松あきら

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2018/04/28
再び津具へ

久しぶりに津具へと
車を走らせる
往復5時間の道のり

「Ben-Joe」の撮影中
宿泊をさせてもらった
ばあばの家へ着くと
相変わらずの温かい笑顔と
テーブルいっぱいの
ご馳走が私を迎えてくれる

まもなくして
津具でお世話になった方たちが
次々とばあばの家に集まってくる
私が顔を出すということで
ばあばが事前に
声をかけてくれていたのだ

懐かしい面々に囲まれ
何も変わっていないことが
うれしてついつい
長居をしてしまう

もちろん
エンドロールに掲載させていただく
津具の方たちの名前の確認をしてもらうという
任務もちゃんとやり遂げる

幸福感に包まれた帰路で
私は失態を犯したことに気づく
プレゼントしてもらった花を
ばあばの玄関に置き忘れてしまったのだ

慌ててばあばに電話をすると
「今度来るときまで育てておいてあげる」
という優しい言葉

花のお世話をしてもらうばあばには悪いが
少し良かったなと思ってしまう
これでまた津具に来る理由ができたと

監督 岩松あきら

写真は、津具でお世話になったばあばたち。

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2018/04/19
粗編集からの長い道のり

これほど編集で苦労するとは
思ってもみなかった
これが今の正直な気持ちである

撮影現場では
脚本通り撮れない条件があったり
新たなアイディアが浮かんだりして
脚本から多少の変更をすることもあるが
大方脚本通り撮影をして
大方脚本通り繋いでいく
一般的に映画の“編集”というと
そんなイメージかと思う

そんなイメージ通り
「Ben-Joe」も脚本に近い形で繋いだ粗編集(※)を行い
その後 短く刈り込んでいく作業を行い
2時間40分程度のバージョンが出来上がった

しかしここからが
悪夢の始まりだった

できる限り2時間に近づけるため
大幅にシーンをカットし
シーンの順番を大胆に入れ替えたり
撮影素材を使って脚本にない新たなシーンをつくりだしたりと
格闘に格闘を繰り返している

編集のアイディアに行き詰まった時
思い出すのがこのエピソード

ウッディ・アレン監督は
「無快感症」という殺人ミステリーを粗編集したら
3時間以上になってしまったらしい

困り果てたウッディ・アレン監督は
編集者に恋愛のシーンだけを繋いだらと助言される
その助言を受け入れ編集を重ね
タイトルをヒロインの名前に変更して完成させたのが
アカデミー最優秀作品賞を受賞した
「アニー・ホール」なのだ

このエピソードを思い出しながら
試行錯誤を繰り返し
「Ben-Joe」は現在
何とか2時間10分台までに漕ぎ着けた
はたして終わりは近いのか

監督 岩松あきら

※粗編集とは、すべての撮影素材からNGカットを除いて、概ね脚本に従って大雑把に繋ぐ作業。
写真は、「アニー・ホール」のポスター(「Internet Movie Database」より)

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